SHOKUDO YArnとは
小松駅からタクシーで15分ほどののどかなエリアにあるイノベーティブ系スペイン料理のお店。
メニュー
・ランチ
12,000円
18,000円(個室のみで提供)
・ディナー
18,000円
税込・別途サービス料10%
12,000円(税込・別サ10%)を食べてきた
行き方~入店時間まで
小松空港からタクシーで約15分3020円、レストランに到着。
中心地を通り抜けることもなく道は常に空いていそう。
12時の予約でお店は容赦なく12時まで入れない。が、隣にカフェ併設の革靴屋さんがあり、これが外観からしてもおしゃれ。こちらでコーヒーを注文し、開店時間まで待機。店内は靴だけでなく、皮製品の小物や世界の雑貨なども置いてあり見ているだけでも楽しい。
12時になったので食堂ヤーンへ。
大きな倉庫のような長方形の建物の中、に入り進むとオリーブの木。
オリーブの木を中央に左右に客席スペースがある。さらに奥にキッチンスペース。客席とキッチンの間はガラスのドアになっていてキッチンで何かやっている様子は見える。
料理について
本題の料理について
まず、抹茶。
小さな茶器のような器に抹茶が入っていてそこにメルローのぶどうジュースと4種のスパイスを混ぜた飲み物。
給仕の女性が説明しながら仕上げてくれた。
抹茶にぶどうジュースを混ぜるという発想に驚き。これがどうしてどちらかの味が主張するでもない、
いい塩梅にミックスされている。
2切れの生ハム
一つは44ヵ月のイベリコベジョータ。
もう一つはホセリート社の36ヵ月もの。
44ヵ月のものは酸味も感じられた。ホセリート社の方が脂も多くねっとりとした味わい。
個人的にホセリートもシンコホタスも優劣なく好きだ。安心の味わい。
能登ヒバのかほり箸
「まずは箸の香りを楽しんでください」とのことで匂いを嗅ぐとヒバのいい香り。
が、ここまで箸が香り高いと料理を食べる都度香りが邪魔するような。。。
(案の定、次に出てきた料理を食べる際にヒバの香りがツンとして気になったが、料理が進むにつれて気にならなくなった。匂いが飛んだのか、香水と同じで鼻が匂いに麻痺したか?)
ふきのとうのアイス
大根おろしに生姜にかつお節の香りがよい。味の層がたまらない。ふきのとうの苦く濃い味が、冷たいアイスになることで柔らでいる。日本の野菜を洋風かつ食べやすくしていてすごいな。
追いガツオの煎餅
少ししっとりめの煎餅に黒ゴマがまぶしてある。チーズの味が少しするのがアクセントに。塩気もあるけど決してしょっぱくはない。料理名は煎餅ではなくスキアッチャータ。イタリア料理名だそうで、調べてみるとフォカッチャのことをスキアッチャータと呼ぶ地域もあるそう。スキアッチャータは「潰した」というような意味があるそうでググってみると確かに一般的にイメージするフォカッチャよりだいぶ高さが低いものが出てくる。お店で出てきたスキアッチャータはそんな比でなくクラッカーくらいの薄さで私的には「煎餅」と心の中で思っていた。さざえさんちのカツオくんのスタンプが押された小さな紙袋に鰹節がたくさん入っていてそれを煎餅でかけて手でぱりぱりと食べた。黒ゴマ・鰹節・チーズの組み合わせを考えるところがこれまたすごい。
四菜*
昨年近所で採れた筍をオリーブオイルに1年漬けたものとふきのとうと何とかっていう草。筍は白ワインと塩等で味付けしてからオイルに漬けていたらしい。1年オイルに浸かっていてもしっかりと筍の食感あることに驚き。
南蛮漬け
廃校のプールで養殖されたモロッコという小さな魚の南蛮漬け。
天然物としては主に琵琶湖に生息しているそう。南蛮漬けというとタレに浸かってしんなりくたっとした南蛮漬けを想像するけれど、こちらの南蛮漬けは薄衣を付けて揚がった小魚のパリパリ食感そのままに南蛮漬けの味がする技巧が駆使された南蛮漬け。南蛮漬けの味でサクサクしていると非常に美味しい。
いわし
イワシのオイル付け(オイルサーディン)とイワシのつみれの春巻き。
2月あたりからだっただろうか?石川県でいわしが大豊漁で1匹10円でスーパーで売っているといようなニュースが流れ始めていたが、こちらで使用するイワシはそんな大漁の中でも100万分の1しかいない肥えたイワシとのこと。こちらの料理に関しては唯一いまいちだったかもしれない。というのは、脂豊富なイワシ×オリーブオイル漬けはかなりくどく、オリーブオイルの香りがかなり強くイワシの風味が打ち消されてしまっていて。。また、イワシの春巻きについては、シェフ自らがミンチにしたイワシの餡を春巻きに入れているということをアピールしていたけれど和食料理でシェフがいわしを自らたたいたりするのは至極普通のことでは?と思ってしまった。そして肝心の味も100万匹の中の1匹の良さは分からずイワシのつみれが春巻きの皮に包まれているというだけでむしろ家庭料理的な味だった。スパイスもほとんど使用していないようで本当にイワシのつみれっていう感じで芸に欠けているのであった。
小松うどん(温)
うどんにホタルイカと自家製味噌とカカオバターで作った3㎝×4㎝位の大きさの板チョコ風のものが4枚(3枚だったかな?)立てかかって登場。うどんはパスタをイメージしていると。その、見た目板チョコを温うどんの上に載せると熱で徐々に溶けていくのでそれをうどんと和えて頂く。味噌の味が強めだがしっかりホタルイカの味がして美味しい。イワシが大豊漁なのとは対照的にホタルイカは不漁だそう。
ライ麦のパン
パンのお替りを尋ねられたのでお願いした。最初に出てきたパンもそうだがこちらのパンはずっしりとしていてかなり甘いパンである。
鰻が入ったサラダ
ドレッシングが強かったかな?
白子と透き通たお味噌汁
これも驚きの美味しさ。味噌でにごった普通の味噌汁とは違い、見た目がコンソメスープのような透き通った汁なのである。それでいて味噌味。。実に美味しい、感嘆。白子も絶品。また食べたい一品。
ひきわり納豆風のナッツとメジマグロの藁焼き
カシューナッツ・マカデミアナッツ・ピーカンナッツを納豆に見立てたナッツ和えとでも言えばいいのだろうか。3種のナッツの組み合わせ、つぶし加減が絶妙で納豆かっくらうようにお箸が止まらない。もっと食べたいと思わせられる。メジマグロを藁焼きにすることで格が上がった代物に。ナッツが添えられていなくてメジマグロの藁焼きだけであれば物足りなく思えること間違いないが、このナッツの味の濃さ、食感がそれを完全に補っている。補うというより、メジマグロとの相乗効果でどちらも抜群の美味しさになっている。この組み合わせを生み出すシェフ、天才だ。えごまの油もついていてこれはさっぱりとしたオイルで3身1体おそるべし一皿。
能登牛のしぐれ煮味
能登牛A5の中でもプレミアム能登牛のイチボとのこと。お肉を一晩昆布締めで寝かせてからしぐれ煮の味付けを施しているそう。こちらに関しては正直せっかくのお肉が強いしぐれ煮の味で染まってしまいもったいないような気がした。シンプルにお肉を焼いて別添えのソースか何かに工夫があるとよかったかなぁと思えた。しかしお肉をただ焼いただけではこちらのお店のポリシーに欠けるのかもしれない。
みりん味のアイス
ほんと、よく考えつくなぁ。
サンドしていないレーズンサンド
2㎝×1.5㎝程の大きさのミニマムレーズンサンドと、帯状にひかれたカスタードに肉厚大粒のレーズンが添えられたもの、みりんのアイスの3つのデザートが載った一皿。ミニマムレーズンサンドは冷たく、一口サイズでとても美味しい。そしてサンドされていないレーズンサンド。これはシェフの味覚のすばらしさがよく分かった。カスタードの硬さ、甘さ、かどがたつことがまったくなく完璧。そして普通のレーズンより3倍も5倍も美味しいサマーブラックというぶどうの品種のレーズン。1週間ラム酒等に漬けたものらしいが、いいラム酒なんだろうなと思われる芳香さ。アルコールも強め。レーズンの食感(硬さ)も完璧。噛むとじゅわっとラム酒がが口に広がる。瓶詰に入れて販売されたら絶対買いたい。(レーズンを気にかけたことがなかった。うなる、もだえる、美味しすぎた。)
続く
SHOKUDO YArnのポイント
- メニュー名から謎解きの遊び心
- この食材とこの食材の掛け合わせ?!な料理の数々
- 石川県でとれるありとあらゆる食材を使用
- エルフジで修業のオーナーシェフの卓越した味覚・特に創造力には脱帽
- 店内での写真撮影・動画撮影は禁止
- 毎年行きたい
本レストランについて、とかく「エルフジで修業した」ということが言いまわされキャッチフレーズ化ているけれど、シェフは素晴らしい味覚の持ち主なんだろうと思われる。加えて想像力、茶目っ気、遊び心、芸術的センスをも兼ね備えている。料理を味わうだけでなく、料理を通して驚きと感動を体験できる。思いもつかないような食材同士、調理法同士の組み合わせの数々。そしてそれが見事にマッチしていて1+1=3になってしまうような美味しさ。食べ終わった後の感想は、年に一度でいいから4年かけて春夏秋冬全季節に来訪したい、願わくば毎年春夏秋冬来訪したいもの。(場所が場所なだけにいやはや。)
写真撮影は出来ないけれど、その日のメニューに使用した食材を記載したメニュー表は頂けます。
ありがとうございます、ごちそうさまでした。
SHOKUDO YArnのお店情報・予約方法
ネット予約はTable check。電話もOK
土日の予約は1か月前だと取れないことも(平日も油断できません、2ヵ月前から予約しておいた方がいいです)
基本2名以上~
キャンセルについて
・3日・2日前50% ・前日当日100%
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